いろんな業界での専門用語がありますが、介護の業界にも介護用語という専門用語があります。介護職の人同士で話す場合は、こういった専門用語で話しても何ら違和感はありませんが、施設の利用者やその家族に対して話をするときに介護用語を多用するのはあまりおすすめしません。同じ仕事をしている者同士であれば介護用語でも十分通用しますが、利用者に対して介護用語を使って話しかけても理解されないことがほとんどです。利用者やその家族とコミュニケーションを取るときには、誰にでも理解しやすい言葉に言い換えるようにしましょう。たとえば嚥下なら飲み込む動作、褥瘡なら床ずれなどというように、誰にでも理解できる言葉に変換して話すようにしましょう。「褥瘡を見せてくださいね」と言うよりも「床ずれを見せてくださいね」と言うほうがわかりやすいものです。
知らないものの専門用語ほど、わかりにくいものはありません。たとえばパソコンの調子が悪いときにサポートセンターに問い合わせたら、専門用語ばかり並べて説明されて、ちんぷんかんぷんだったという経験をしたことはないでしょうか。それと同じです。介護の専門家ではないのに、介護用語を並べて話されても全く話が入ってこないのです。最近は人材不足のため、外国人のスタッフを雇うところも増えてきました。日本に来てまだ日が浅い場合は、介護のスキルだけでなく日本語を理解することに苦労しているかもしれません。日本語に不慣れな人がほとんどなので、なおさら理解しやすい言葉に変換して伝えることが大切です。