介護の仕事は利用者の日常生活を支援することがメインになります。そのため身体の不自由な高齢者の入浴を介助することも、介護現場では珍しくありません。入浴の介助では福祉用具等を活用して、身体の運動機能の低下した利用者が快適に入浴できるように、速やかに環境を整えることが求められます。そこで介護職には、入浴器具の名称や機能あるいは使用方法などについても、介護用語の1つのカテゴリーとして覚えておくことが大切です。
まず、浴室は滑りやすいので、利用者が転倒しないように安定した状態を保つことが必要です。そこで介護の現場でよく使われているのが、シャワー椅子。背もたれや肘掛けの有無、あるいは折りたたみ式など、さまざまなタイプがあります。これがあると足腰の弱った利用者でも、安心して座りながら身体を洗ったり、シャワーを浴びることができます。また、広めの浴室を移動する場合には、シャワーキャリーを使用するケースもあります。これ1台あれば座りながらのシャワーはもちろん、そのまま浴槽内へも移動することが可能です。浴槽が高く深いものだと、身体の弱った高齢の利用者でも跨いで入る必要があるので、身体に大きな負担がかかります。そこで活躍するのが浴槽内昇降機や簡易担架です。これらは座面が上昇や下降するような仕組みになっており、利用者が浴槽で立位や座位になるようなシーンでは、とても役に立ちます。特に浴槽内昇降機は電動なので、介助者の肉体的負担も少なく済みます。