介護職を検討している人の中には、「適正な給料が支払われるのか?」と気になる人がいるのではないでしょうか。介護職の給料は、事業者によって異なります。ただし、会社である以上は、売上以上の給料を払うことは当然のことながらできません。介護保険制度の中で介護サービスに関しては、国が決定した介護サービス価格、つまり介護報酬を主な収入源としており、給料を高くしたくてもできないという理由があります。たとえば、訪問介護における介護報酬をみたとき、30分以上1時間未満の身体介護の報酬は、10円計算に該当する場合、3950円となり、この金額から訪問介護職員の時給が支払われるわけです。訪問介護職の平均的な時給額は1300円ですから、それを支払った場合、残りは、2650円となります。これが事業所の取り分となり、この取り分から介護事業者は、事務所の家賃や通信費、福利厚生費など、さまざまな経費を支払っている仕組みです。
通所介護の場合、7時間以上、8時間未満のサービスの場合、要介護1では、6480円、要介護3では、8870円の売上になります。これが1日1人の売上額です。訪問介護、通所介護ともに、上記の金額にその他の報酬が加算されるため、実際の数字とは異なります。介護サービスはサービス単価が決められている以上、売上をあげるためには、利用者へのサービス回数を増やしていくか、サービスを利用してもらう日数を増やすことしかできません。介護職として働く場所を探す際に、いろいろな事業所の待遇面の数字だけをみて判断するのではなく、制度の中で決められた売上しかない中で、自分が受け取れる割合は、正当なものかどうかを考えることも大事です。単純に時給や月給が高いだけで判断するのではなく、経営状態も含め妥当な額なのかをみていくことが大切になります。